初心者のための英文法学習とは?

大学入試問題から見る英文法

いきなりですが、次の文章は実際の大学入試で出題された正誤問題です。この英文のどこが間違っているか、わかりますか?

The earth is a planet which goes round the sun.

一見すると、何でもないような文章です。この文章だけを見ると、「えっ、これのどこが間違っているの?」となるかもしれません。ヒントとしては、関係代名詞の部分なのですが・・

では、次の文章の違いは分かりますでしょうか?

He has two daughters who are doctors.

He has two daughters ,who are doctors.

日本語にすると、両方とも「彼には医者である二人の娘がいる」となります。しかし、英語の文法的には両者には明確な違いがあります。上の文章は関係代名詞の制限用法、下の文章は非制限用法です。

日本の英語教育では、「制限用法の場合は後ろから訳し、日制限用法の場合は前から訳す」などという妙な教え方がまかり通っていますが、この用法の一番大事なポイントはそういうことではありません。

上の文章は主語である「彼」には「医者である娘は二人しかいない(他にも「医者ではない」娘がいる可能性はある)」、下の文章は「娘の数は二人で、彼女たちは医者(他に娘はいない)」という意味です。つまり、コンマがあるかどうかで意味上の違いが生じるのです。

ここまで言うと、初めの文章のどこが違うかお判りでしょう。

The earth is a planet which goes round the sun.

これだと、太陽の周りをまわっているのは地球だけとなってしまいます。よって、この文章は下記のようにならなければいけません。

The earth is a planet ,which goes round the sun.

この問題は文法家になるのであれば、関係代名詞の本質を付いた非常に良い問題だと思います。

しかし、英会話にこのような文法知識は必要か?と問われれば、NOだと思います。なぜなら、会話に制限用法も非制限用法も出てこないからです。いや、ライティングでも、ここまで意識して文章を書く人はネイティヴの中でも少数でしょう。

このように、日本の英語教育で習ってきた英文法は、確かに英会話に役に立つかと問われれば「役に立つ」と言えます。しかし、これから英文法を勉強しようとする方が、ここまで詳細な知識は必要ないでしょう。

英会話で必要な英文法知識のレベル

英会話学習でよく言われていることですが、難解な英文法の知識は、スピーキングやライティングにはあまり役に立たず、むしろ簡単な知識を活用出来るようになったほうが役立ちます。

英文法にも、比較的簡単な分野と難しい分野がありますが、スピーキングでは簡単な分野の知識のみで、ほとんどの部分をカバーできます。例えば、TOEICの文法問題も半分以上は簡単な分野に関連することです。英語の文法は基礎知識を習得することが最も大切なのです。

あなたの頭を悩ませるような難解な文法知識を知らなくても英会話は上達できます。まずは、「基本を習得する」という点に重点を置き、それがマスターできたら会話のトレーニングに入っていきましょう。

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